「神戸賞」は、今後、日本がリードしていく分野として注目しているBME(Bio Medical Engineering)分野〜『生命科学と理工学の融合境界領域』〜において
イノベーションをもたらす優れた独創的な研究で実績を挙げた研究者や、そのユニークな研究で将来性が嘱望される若手研究者に光を当てる新たな学術賞です。
社会構造がリセットされた、戦後の日本。
今も輝きを放つ時代、1970年万博の熱気に象徴されるように、
日本人は熱意とチャレンジ精神、創意工夫でテクノロジーを磨き、世界から技術大国と呼ばれるまでに成長してきました。
しかし21世紀を迎え、世界の国々が著しく成長し、情勢が変化する中で、この国は元気を失っているように思えます。
私たちは思うのです。
この国の経済と社会を元気にし、再び輝かせるためには、科学、技術分野でのイノベーションがもっと生まれる環境を整える必要があることを。
これからの研究者たちが活躍できる土壌を育み、それを成長に結びつけることが、とても重要であることを。
日本発のイノベーションに、光を当てる。
神戸賞は「日本を元気にする」ことを理念とした民間財団による学術賞。日本の産業や経済再興につながる独創的な研究を進める人材を、
先見性と独自のビジョンを持って見いだし、その活動を支援していきます。
その対象は「生命科学と理工学の融合境界領域」。
新しい扉を開けようとする人物に光を当て、そのチャレンジを経済面だけにとどまらず、様々な形の支援を通じて、夢の実現に寄り添っていきます。
世界を変える、独創を讃える。
日本を元気にするイノベーションは、ここから輝いていく。
神戸賞
中谷財団は、1984年にシスメックスの創業者でもあります中谷太郎が、電子計測技術の発展に寄与したい、研究に携わる研究者を支援したいという強い思いから私財を投じて創設いたしました。
お陰さまで中谷財団も2024年には設立から40年を迎えることになります。
この度、中谷財団設立40年を記念して、新たに「神戸賞」を創設することに致しました。
中谷財団では、創設から40年の間に医工計測技術を中心に多くの研究者の支援を行ってまいりました。
その間、日本の社会環境も、また日本を取り巻く環境も財団創設当時と比べて、大きく変化してきました。
GDPは大きく後退し、新しいテクノロジーも日本からはなかなか生まれてきません。
毎年のようにノーベル賞の候補として、日本の研究者の名前が上がりますが、それは20年も30年も前の研究成果です。
1970年に日本で初めて万国博覧会が開かれたころは、日本は活気に満ちていました。
当時は世界から技術大国と呼ばれていました。
それがどうでしょう・・・
いま、日本には元気がありません。私はそんな日本をもっと元気にしたい!
そのためには、若い人に活力を、埋もれた研究に光を当てたい・・・。
かつてのような技術大国ニッポンを取り戻すには何が必要なのか、また民間財団としてできることは何なのか、日々、いろいろと思考を重ねてきました。
それには、将来有望な若い人たちがのびのびと、目先の成果にとらわれない独創的な研究ができる後押しが必要なのではないか。
また、ユニークな研究をしている人を発掘し支援することなのではないか・・・・。
美しい花を咲かせるためには、もととなる土づくりが大切だといいます。
すぐには成果が生まれなくても、若い研究者がじっくりと研究できる土壌を育んでいくことが重要ではないかと思うに至りました。
そんな私の切実な思いが、この賞の創設に至った原点であります。
もともと神戸は海を渡ってきた進取の文化が発展してきたおしゃれな土地柄です。
また、神戸はシスメックスがベンチャーとして産声を上げた創業の地でもあります。
神戸賞と名付けましたのも、新しい発想で、独創的な研究をしていただき、神戸から日本を元気にしたいとの思いからであります。
その対象はBME分野、すなわち「生命科学と理工学の融合境界領域」といたしました。
この賞の大きな特長は、先ほども述べましたとおり若手研究者への支援です。
独創的な研究を進める人材を、先見性と独自のビジョンを持って見いだし、その活動を支援していきたいと考えています。
民間の一財団ができることは限られています。
しかし、一石を投じその波紋が大きく広がることが、日本が元気を取り戻すことにつながると私は考えております。
この新しい「神戸賞」を今後、5年、10年と積み重ねていくことで、医療に貢献でき、結果日本が元気になれば・・と考えております。
どうか長いスパンで、この賞を育てていただければと考えております。
プロフィール詳細
プロフィール詳細
BME(Bio Medical Engineering)分野
~生命科学と理工学の融合境界領域~
※今年度の募集は終了しました